ちょままちょままま

何でも書きます

Runway以前/以後「応援」と「期待」の転換点

 

ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』には『Runway』という曲があります。

今日はこちらの楽曲が持つ意味について考えていきたいと思います。

 

要点だけ掻い摘んでいきますが、

『Runway』は10月度Fes×LIVEにて初披露された楽曲で、現行(多分)唯一のソロ歌唱が特徴的な一曲です。

 

歌唱を担当するのは当時高校1年生の村野さやか。

沙知先輩から問われた「スクールアイドルをやる理由」に対するアンサーソングとしての位置付けがこの『Runway』です。

 

夕霧綴理に憧れ魅了され、スクールアイドルを始めたさやか。

長く競技の道にいた彼女にとっては、順位付けされることは当たり前で、ラブライブ!の大会に出ることについてもそういうものとして捉えていました。

 

そんな中沙知先輩から先ほどの問いかけを受け、普段何事もそつなくこなす、さやかだけがその問いに答えられずにいます。

 

梢先輩に聞いてみるも、自分で見つけないことにはあなた自身が納得できないでしょうと見透かされる始末。

 

半ば途方に暮れながら黄昏ているところに、クラスメイトから「応援してるからね」「期待しているよ」と声がかかります。

 

そこで彼女はハッとして沙知先輩の元へ。

 

村野さやかにとってのスクールアイドルをやる理由。

それは「多くの人からの期待に応えること」

沙知先輩を納得させるため、さやかはライブに来てほしいと言い、そこで披露したのがこの『Runway』だったのです。

 

このエピソードが描かれた活動記録の12話のタイトルは「期待はおもい!」

文字通り、期待はする側からの想いであり、それは時として途轍もなく重いものでもあります。

 

おそらく、応援は「もらうもの」で期待は「応えるもの」

そういう線引きが彼女の中にあって、それが明確化されたのがこのエピソードだったと思います。

村野さやかにとっては「期待」が力になり、それに応え続けていくんだと証明するかのように1人舞台に立ち『Runway』を披露した姿には、高校1年生とは思えない凄まじさがありました。

 

 

 

といった具合に『Runway』という曲は村野さやかを語る上においては不可欠な存在でして、なぜ10月のストーリーを今更語っているかと言いますと、

ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 2nd Live Tour 〜Blooming with ○○○〜』

にてこの楽曲が披露されたためです。

 

何らかで幕張公演2日目を観た方は分かると思いますが、この日『Runway』は3度繰り返されました。

1度目と2度目はおおよそポジティブではない理由で。

take2、3と回数を重ねるごとに会場からの声は大きくなっていきました。

 

それは間違いなく「応援」でした。

「期待」に応えるために歌う『Runway』で会場中から「応援」をもらう。

それも1日目のMCで「ラブライブ!に出た証であるLttFの衣装でこの曲を歌うことでさらにたくさんの期待に応えられるようになった姿を見せる」と語っていたその翌日です。

 

村野さやかとしてパフォーマンスすることに並々ならぬ矜持を持つ野中ここなさんは一体どんな気持ちであの時間を過ごしたのでしょうか。

 

想像するだけでもつらく恐ろしく、自分だったらもうステージに戻ってくることもできないような気がします。

 

応援した人たちが悪いとは思いません。

多分心から出た言葉でしょうし、ラブライブ!にはピアノの前例があったりもします。

 

ご本人はその後のMCでもはっきりと「期待に応えることができなかった」と語っています。

 

美談にするべき話ではないのでしょう。

 

ですが、あの状況から最後までライブを駆け抜けた野中ここなさんの精神性は、間違いなくスクールアイドルクラブ、DOLLCHESTRAとしての1年間を経て成長した村野さやかそのものでした。

 

ご本人も「どこかでまた期待に応える姿を見せたい」と前を向いていました。

もしその場所があるのだとしたら、ファンからの「期待」はこれまでよりももっと大きなものになるはずです。

 

 

今度こそ失敗は許されない、大変な道を自ら選んだそんな2人は本当に尊い存在だなぁと再確認したというお話でした。